【2024年2作目】野岩鉄道 会津鬼怒川線 男鹿高原駅 駅ノートイラスト

男鹿高原駅にやってきました。ずっと訪れてみたいと思っていた駅のひとつです。
何もない・・・その何もなさこそが、この駅の大きな魅力。
けれど、もうひとつ大切な訪問理由がありました。
それはかつて駅ノート界に名を刻んだ「伝説の駅ノート絵師さん」の足跡を追うためです。
私が駅ノートを描きはじめたのは2007年ごろ。
えちぜん鉄道・比島駅でノートを開いたとき、そこに残されていたのは、伝説の絵師さんの作品でした。
「あぁ、雲の上の存在がいるんだ……」
そう心を揺さぶられた日から十数年。
いま、その人が描き残した足跡をたどり、この駅に立っています。




男鹿高原駅は頑丈な造りの駅です。
階段やホームの造りだけを見れば、ごく普通の駅にしか見えません。
けれど、線路の先に広がる風景は一面の森――ここがローカル線の途中駅なのだと強く感じさせます。






ホームは1面1線の棒線ホーム。
かつては優等列車も停車していたそうですが、現在の駅前には砂利道とヘリポートがあるだけで、民家は見当たりません。
乗降客はほとんどいないのではないかと思われます。
また、最寄りの国道までは少し距離があり、駅周辺はとても静かです。

それでは駅ノートを描きます。
十数年前と比べれば、少しは画力も上がった……(と信じたい)私ですが、今回はあえて「伝説の駅ノート絵師さん」と同じ構図、同じアングルで挑戦してみます。
参考にさせていただいたのは、伝説の絵師さんご本人様のサイト。
👉 男鹿高原駅|伝説の駅ノート絵師さんのページ
あの日、比島駅の駅ノートで初めてその絵に出会い、心を動かされた感覚。
地中深くから、はるか雲の上の存在に精一杯手を伸ばしたような、衝撃を受けてから十数年・・・。
ついに、その人の足跡を追って、同じ駅の駅ノートに、自分の絵を重ねられる日が来ました。



一矢報いるつもりで挑んだものの、やはり全然及びませんでした。
描き比べてみると、細部の描き込みの密度、キャラクターのメリハリ、塗りの深み・・・
そのどれをとっても、自分のつたなさを思い知らされました。
でもこれでよかったのかもしれません。
時は流れ、誰かが足跡を残し、また誰かがそれを辿る。
そうして積み重なっていくものこそが、歴史となり、記憶となる。
駅ノートって、きっとそういうものなのかもしれません。
ではそんな駅ノートに残されている他の絵師さんの作品をご紹介します。




今回の一枚には、いくつもの発見がありました。
伝説の駅ノート絵師さんの足元にはまだ遠く及ばないものの、その存在感と圧倒的な完成度にただ驚くばかりです。
また、この駅に残されていた他の方々の作品も、それぞれに個性と魅力があふれていて、見ているだけでワクワクします。
挑戦し、観察し、描き、そして感じる・・・そんな刺激が詰まった、男鹿高原駅の駅ノート。
今回は、魅力と可能性を再認識させてくれる特別な場所でした。







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